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ガソリンをほとんど透過させないプラスチック製燃料タンクで、軽量化を実現します。

プラスチック製燃料タンクのバリア材

これまでの歴史

40年ほど前は、自動車の燃料タンクはすべて金属製でした。しかしながら、金属製の燃料タンクには、重さ、燃料漏れのリスク、腐食といった多くの欠点がありました。そこで自動車業界は金属に代わる素材を探しはじめます。そうしてたどり着いたのがプラスチックでした。

最初のプラスチック製の燃料タンクは、1970年代始めにヨーロッパで導入された高密度ポリエチレンの単層タンクです。これは次のような利点を有していたため、成功を収めました。

その後、ヨーロッパではプラスチック製燃料タンクの普及が進み、現在では単層と多層のタンクを合わせて、市場の90%以上を占めています。

一方、アメリカでプラスチック製への移行がはじまったのは、1980年代中頃から。以降急速に普及が進み、現在では市場シェアの85%近くに達しています。アメリカでは、炭化水素排出基準が強化されているため、そのほとんどはEVOH(「エバール」をはじめとしたエチレン-ビニルアルコール共重合体)をバリア材に使用した多層タンクとなっています。

アジア・太平洋地域は、自動車の生産量が大きく伸びているエリア。燃料タンクについても世界的な流れに乗り、プラスチック製の採用が急増中です。現在では市場の40%に迫りつつあります。


バリア材の変遷

燃料バリアの技術はヨーロッパで生まれ、その素材は高密度ポリエチレンのみから、内面コーティングしたもの、ナイロンとポリエチレンのブレンド、そして多層共押出ブロー成形したプラスチック燃料タンクへと、技術変遷を重ねてきました。

高密度ポリエチレンにバリア材を加えるには、以下の方法があります。

■「エバール」を使用した多層共押出成形。
■フッ素による内面コーティング。

日本におけるバリア材
1990年代後半から、「エバール」をバリア材に用いた多層プラスチック燃料タンクが採用されています。バリア材にナイロンを使用したタンクも存在しますが、バリア性で優る「エバール」に切り替えられつつあります。

アメリカにおけるバリア材
1996年にCARB(LEV1)が施行されるまでは、アメリカではブローあるいは射出成形された単層のフッ素内面コーティングが好まれていました。しかしスロッシュ試験(振動試験)が導入されると、「エバール」を含む6層の燃料タンクが選ばれるようになり、現在ではアメリカの燃料タンクの大半を占めるようになっています。

ヨーロッパにおけるバリア材
ヨーロッパでは、ディーゼルが主流であることや、単層用の押出成形装置をそのまま利用できることから、未だにフッ素コーティングやブレンド系が用いられています。